新勧の果て
今回の新勧で学んだ最大のことは「私は全くオタトークが出来なくなってしまった」ということです。日記では饒舌ですが、これは他者を「想定して」書いているだけであって、会話すると言うのは他者と「対面して」話すと言うことですから、全く性質が違うのです。
対面するということは目の前に人格が出現すると言うことなので、好き勝手に語るだけでなくて、同時に相手に気を遣う必要性があります。だから自分の言いたいことを一方的に言ってしまえばお仕舞いという訳にはいきません。
そもそも、オタトークと言うのは「知識の自慢大会」という節がある。いかに自分が知識を持っているかを他者にひけらかして自己満足に浸るかが目的、とも言えるのはまた真実。でもそれを一方的にやるのは相手を「人間」として捉えていないからこそ出来てしまうのではないでしょうか。だって、それは相手にそれだけのことを話しいることに「他者の聞いている保障」が欲しいだけで、目の前の人格は誰でもいいわけですから。
こういう自慢大会をある種の「コミュニケーション」として確立させるには共通の合言葉を使うのが常套手段でしょう。種死は「駄作」。京アニは「神」。シスプリは「ウニメ」。ひぐらしは「傑作」。でもですね、これらのコードによって語られる会話って案外不毛だったりするんですよね。コミュニティに参加してる気持ちにはなれても、人と「会話をしてる」気持ちにはなりきれない。
お互いが、アニメなりのオリジナルの意見を述べ合って有意義な会話を出来るケースは稀で、基本的に『一方的なサンドバックトーク』か『合言葉を利用した仮想の共通認識』によるものが多いと思う。
でも、ですね。やっぱりお互いが気持ちよくなれるオタトークをしたいじゃないですか?今まではそういうオタトークの可能性が見つからなかったので、オタク同士でも敢えて日常ではオタクっぽい話は避けてきましたが、それじゃなんも解決しませんね。もう少しこの問題については色々考えてみます。
再考 涼宮ハルヒの憂鬱
各所であの一話が話題になっているようで。私の中でもあの一話の評価が変わってきたので、再評価。
あの話、実は大変興味深いのではなかろうか。ボディブローのようにじわじわと効いてきました。
まず、あのOP。「恋のミクル伝説」。完全に頭から離れなくなった。結局気になってしまい、何度か聴き直してしまった。MP3に入れて何度も聴いています。本編は一回観ただけなのに、OPをあれだけ印象的に刷りつけてしまうのは実はすごいことではなかろうか?出だしの音楽に乗り切れず「みっ、みらくるっ!」になってしまうのと「空の彼方へ〜〜〜〜〜〜!!」がやはり忘れられん。超電波。
それと本編。あの話一つだけで完全に「朝比奈みくる」というキャラをプロモーションし切ったとも言える。キャラクターコンテンツとしてはあそこまで余分な要素を切り詰めたプロモーションは滅多に無いことに感じられてきた。きっとキャラの伝えるべき部分は全部伝えきったよ。あの話のせいで一ヶ月以上は朝比奈みくるのことが忘れられなくなったと思う。
一番気になってるのは、朝比奈ミクルの冒険をめぐる現象。感想サイトを見ても原作既読者はあの一話を大絶賛しているようだ。逆に私も含め、原作に触れていない人間はただ呆然としている場合が多い。この「身内だけで盛り上がって、事情が分からない人を置いていった雰囲気」が偶然にも涼宮ハルヒのアニメの自主製作映画という状況と被っていることが興味深い。この状況はオタクコミュニティのなんらかの現状を言い表しているようにすら思える。
つまりですね、原作既読者にしてみれば「俺たちの作品がしてやったぜ」という心境なのでしょう。「未読者がどう思おうが、あれは良くやった」という意見も多く見受けられる。
で、その「身内だけは最高のものを作ったと思っている」雰囲気が正直、鼻につく未読者もいたんじゃないでしょうか?作品を私物的に捉えてる集団から「分からない奴」のレッテルを押されてしまった訳ですから。だから思うのですが、原作既読者が「あれは面白いんだ!」と強く言うのはむしろ逆効果ですよ。
自分の作品と捉えてる原作既読者の「作品の私物化」思想が、言ってしまえば新参者の原作未読者に「見下されている」感じを与えてしまっているかもしれない。だから、もし既読者が未読者に作品を勧めたいのなら、面白さを押し付けちゃいけない。面白さを気づかせるためのヒントを散りばめるに留めるのが正解だと思う。
涼宮ハルヒの憂鬱が自主制作映画の状況をとおしてここまで表現しようとしたとは思わないが、この騒動は原作既読者と原作未読者の関係を見直してみるいい機会になるのではないでしょうか?
NANA 第1話 ★×5
こういう完全にオタクの層を視野に入れないアニメを見ると、どうしても「どうせつまらないのだろ?」という先入観を持ってしまう。良くない癖だ。
作品としては普通。ただ、やはりアニメの文法で話は書かれていない。唯一アニメの文法なのは登場人物のくずし絵とギャグ表現のノリだろうか。話もあくまで人間の生活を人間の目線と考え方で追った、ドラマのもの。
正直、アニメを観てる気持ちになれなかったので、感想が浮かばない。ただ社会一般で言う「普通の人」の「普通の価値観」が望む「普通の物語」というのはどういうものかを学ぶいい機会と捉えられなくもない。判断保留。
いぬかみっ! 第1話 ★×6
ちゃんとした感想は明日の夜書くとして、こんどこそBPOに通報確実。
.hack//Roots 「Wellcome to the World」 ★×5
ふむ、今まで.hackを観たことがなかった私にとっては、ネットゲームのお話と言うのはなかなか斬新でした。専門用語も一般的なネットゲームの概念を流用しているので、割とすんなり入ってきました。ただ、私はあまり真下監督の淡白な作風とは相性が良くないので、その辺りが心配。