XXXHOLiC 第9話「ユビキリ」 ★×7

第2話と対応した「嘘」にまつわる話。「キョゲン」が悪意のない無自覚な嘘なら、「ユビキリ」は悪意のある自覚的な嘘の話。
無意識に嘘で繕うことでしか自分を誇示する手段を知らない、自己表現の術を知らない無知な人間と、自分をよく見せる術を重々承知で、だからこそ自分を幾多にも使い分けることをしてしまう人間と、どっちが救いがないでしょうか?
無知は悪いことをしていることすら気づいていないから直しようもなく、知らず知らずに周りを不愉快にさせている。でも、人を傷つけるつもりでやっている訳でなく本当にそれしか自己表現の手段を知らないので、良心的には許せる。
知っていて行う嘘は、あからさまな打算であり、周囲が傷つくのが承知で自己の利益を図るあからさまな悪意。でも、自覚的なことだから直そうと本当に思えば直せるだろうし、使い分けが利くから表面上は友好を保てる。
どちらが救いがあるのか、こればっかりは個々人の感性次第。

ゼーガペイン 第9話「ウェットダメージ」 ★×7

まず大先生、謝罪します。申し訳ありません。あなたがしたことは間違っていなかった。
今回の話は、今までの自分と、現在の自分と、もしかしたら現在の自分は虚勢張ってるだけの作り物の自分かもしれなくて、色々欠けているちぐはぐな自分かもしれないし、刹那的な心の高揚が今の自分を尊大なものに作り変えてるだけかもしれない。たまたま自分に有利な風が吹いて、生まれ変わったつもりになって、そんな風に思い込むことで酔いしれてるだけかもしれない。確かに刹那的な心の高揚は恒常的な心の変化ではないかもしれない。そうだとしても、そんな刹那的な心の高揚で虚勢張ることがきっかけになるかもしれない。作中の台詞で言えば「中身が嘘でもいいの。それがいつか本当になることがあるかもしれないし。」
要は自分が本当はどんな人間でどんな立ち居振る舞いを「すべき」人間なのか、身の程を知ることは重要でなく、今何か変わったと思える自分がそこにいて、そんな高揚感を抱えた勢いで「そんな俺はいらねえ!」と過去のうだうだしていた自分を振りきってしまうことが大切だって事。だからラストのソゴルの一言は「いいじゃん、今の俺で」な訳ですよ。
と言うことで、「生まれ変わった自分を演じること」でも案外本当に新しい自分になれるきっかけにはなるんじゃないのかな、という訳です。私も同感です。よって大先生の行為は間違っていませんでした。本当に申し訳ございません。
それにしてもこういう青臭い理屈って、私は好きですよ。このアニメは実に清々しいね。