うえきの法則 最終話「空白の才の法則」

実は観てたんですよ。話に出さないだけで。
これは非常に気持ちのよいアニメでした。徹底的なまでに一貫される正義の論理が実に清々しい。特別な理屈は何一つ示されないけど、「仲間がいることが力になる」ってことが物語の主張であり、それがすごく物語の風通しをよくしていた。
普段から私がよく言っている「少年誌は嫌いだ」という論理は「力=正義」の構図が嫌いなのが理由の一つなのですが、この話はそれと違った「仲間=力=正義」が物語が臭くなるスレスレまで唱え続けられてました。その臭くなるスレスレをギャグで上手く調整する技術はなかなかです。
感服しました。私の負けです。どんな少年誌作品でも「仲間=力=正義」の構図は非常に中途半端な、「力=正義」の正当化のレベルでしか語られることは無かったのですが、この物語は「仲間=力=正義」の構図を全51話貫き通しました。こういう少年誌の物語ならまた見てみたいと思います。
ラストの「再会の才」も、この話らしい、暖かい余韻の残る終わり方でした。今まで出逢った人達との再会までをも想起させる、気持ちのよい終わりです。