N・H・Kにようこそ! 第23話「岬にようこそ!」 ★×8

岬との最期の一言当て、あれはすっごい学生感覚の会話っぽくて好きだな。あんなにフランクに話して、佐藤もここまで回復したか。でも、ああやって一般常識の中からテーマを決めて、それに沿って会話をするって言うスタイルは、実際会話の特訓としてかなりの効力があると思われますよ。即興で会話のネタを振るって言うのをコミュニケーション不全は最も苦手とするしね。それと、相手が弱者、もしくは同程度だと思うと言葉は案外にすらすらと出てくるもの。言葉を選ぶ必要が無いからね。そういう点で、お互いの知識のひけらかしあいになってることも面白いといえば、面白い。でも、ふるさとの話に転換する流れは、連想ゲームである本物の会話の流れを意識しているのだろうか、少し人間らしさを感じました。
「ダメで寂しい人間の、相互扶助に関する契約書」。あれは岬一世一代のラブレターに見える。そんなやり方でしか「付き合って欲しい」と言えない岬ちゃんマジ萌えますね。「といっても乙が寂しいのはいつものことなので、つまり甲はいつもそばにいる」「約束を破ったら罰金1000万円」が特に萌えます。でも、岬は佐藤のことは好きではないでしょう。本人が言っているけど、要は佐藤は弱者で、自分以外にいないから。ああ、無情。
でも、佐藤がサインしなかった理由が「自分をダメ人間と認めたくなかった」というのは、ちと腑に落ちない。思うに、自己本位でなく、岬のことをもっと思っていたような。あれですよ、一人でひきこもっている分にはいつか危機感にさいなまれる日が来るだろうけど、二人でダメになると特別危機感がない、麻痺するという点で、確実に腐る。そういう意味ではないのか?ま、よく分かりません。ダメなものがダメなものの世話をして、自分は求められてるんだという実感を得る。いわゆる共依存
部屋の中で次々と今までの人が出てくるのは、エヴァオマージュ。彼女らの言うことは八割がた正しいとは思う。というか2ちゃんねるは局地的にその空気が異常。共依存といい、テーマ的にはエヴァで提示された他者問題に10年越しで取り組んでいるって感じ。
佐藤が働き出したの、あれって実は小説版のラストなんだよね。まさか最終話一個前でこれが来るとは。けど委員長のアニキが同じことを以前やっていたせいで、二番煎じのようで、やや失速した感が。ただ、なぜひきこもるのか〜は、最大公約数な答えだとは思われますよ。
やや残念なのは、岬が完全に「悲劇のヒロイン」になってしまってるところかな。漫画版に比べ、かなりの点でリアリティを描こうとしているように思われるのだが、岬だけは等身大の人間の悩みには思えないというか、設定もドラマ的に明かされすぎというか、そんなことある訳ねーよって部分が多々ある。黒く描けとは言わないから、もうちょっと生活感出そうよぉ!
ラストの佐藤が走る場面。あれは青春の刹那的高揚を感じる。あの佐藤がうん万円(二万?)も使ったところが泣けてくる。あれは貧乏の佐藤にとっては岬への最大最高の愛情表現だったと思う。