がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第5話「ふたりっきりの、夜」 ★×8

評価にしては相当9に近い8。いや、本当に毎回面白いですね。ユーフォーテーブルにありがちな話が進むにつれてだぶつく脚本の心配も無く、話・作画共にまじクオリティ高いですね!
今週の話。なるほど、桃葉を除けば、人間関係で補完されていないのは、みかんとめえちゃんってことになりますからね。でも、この作品がここまで徹底して1対1の人間関係を描く意志を示したのは意外。前回からの話といい、1〜3話が視聴者サービス色の強いキャラ紹介の回で、本来的なまなびの目指すところはこういう人間ドラマの部分なのかもしれませんね。
今回のテーマも重め。それも前回の話の、過去のトラウマっていういかにも物語向けな重さでなく、気まずさというあまりにも日常にありふれて、むしろ物語では避けてとおられる重さを取り扱った点で好感。
よくアニメとかで、ある二人の会話を描写したら、すぐに次の日になってしまったりしますけど、本来ならその後にも会話は続いていて、何時間っていう長い時間を会話で繋ぎ続けているはずな訳で。つまり、象徴的な会話が終わったら次の場面っていうのは「物語のコミュニケーション時間」な訳で。それとは別に、物語で描かれない「リアルなコミュニケーション時間」ってのが現実に存在している訳で。
で、現実の人間関係の恐怖って言うのはこの「リアルなコミュニケーション時間」を充実出来ないというところに大抵の理由がある。相手といっしょにいるのが気まずい、会話する内容が無い、相手の一言一言に神経を使う、あまりに何気ない一言に傷つく、とか。だから、物語作品が人間関係をテーマにしても「物語のコミュニケーション時間」の中で起きた人間関係しか取り扱わないから、どうしても的外れになる。いかにも物語特有の、そのために用意された人間関係の問題に過ぎない場合が多々ある。もちろんそれが悪いわけじゃないんですが、リアリティではない。
その点で、少なくともアニメ作品の中では「リアルなコミュニケーション時間」を題材にした数少ない作品と言えると思うんですよ、まなびストレートは。とりわけ、学園モノでは、怠惰に仲間といっしょにいるということがリアリティに繋がる点で、この題材は是非とも描くべきだとは思います。
まなびストレートは「夜の学校」という題材を好んで扱いますが、ずばりこの作品のテーマって「学園祭前夜」なんでしょうね。あの、身内だけの内的高揚感に満ちた、人生の中でも最もポテンシャルエネルギーが高くなる瞬間を、毎日繰り返しているっていうのがこの作品世界なんでしょうね。そういう意味ではビューティフルドリーマーへのオマージュ?わいもこんな青春が送りたかったな。寝転がって夜空を眺める場面とか最高だぜ。
それと、防護服でお見舞いに来たときの桃葉、あれぜってー松岡美羽だろ?桃葉だけまなびの中では存在がアウトローだよな。あまり参加してないって意味でなく、他キャラと違って今のところリアリティを全く描く気の無い、いかにもキャラクターらしいキャラクターという点で。