ナイトウィザード The ANIMATION 第1話「月匣〜紅き月、碧き瞳〜」 ★×7

TRPGと聞くと、なんとなくそれだけで微笑ましくなる。何もモノが無かった頃、アングラな存在だったオタク達が知恵を絞って作り出した文化なんだなぁと思うと、先人の発想の豊かさに、むしろ僕らのほうが退化してるんじゃないのかとさえ思う。あまつさえ、その文化がこうして現代でも生き残っているという事実に感慨深ささえ覚える。自分の近くにTRPGやってる人いるんだけど、その人がオタク趣味について語るときの楽しそうなさまといったら、多分こういうアナログなところで頑張ってたオタクの方が実は今より楽しかったんだろうな、と想像する。
と、これのルールブックのCM見たときふと、感じたわけよ。


そんなわけで本編ですが、これは好み。評価的には限りなく8に近い7。
とりあえず、導入のアホでベタ過ぎる掴み方。今時、垂直落下して、銃火器ぶっ放してれば、視聴者が喜ぶとでも思ってるんかー、って感じですよ。むしろそういう馬鹿っぽいことをなんの恥ずかしげも無くやってしまうところがいいな。
Aパートのスラップスティックなノリが好き。いきなり転校、即入部。よく分からんが、学校行けない。展開がトントン拍子過ぎるが、むしろそういう高度なギャグにも取れる。むしろ天然なのか?この脚本を天然で書いたのなら、かなりオモロイ。計算されてるんだか、されてないんだかよく分からないが。とりあえず学校行っとけ。
Bパート。露骨なまでのファンタジーに、きっと膨大なんじゃなかろうかと思わせる設定。でもそういう設定面とかを、シャナのように見せびらかさないで、あくまでバトルに徹したあたりは、エンタメとして正解だと思うし、このアニメを嫌味に感じない理由。また、この露骨なまでのファンタジー分がなんとも。ピンチの時の主人公の登場の仕方とか、不思議な力が目覚めたりとか、あまりにあざとい展開が、古典的作品を思わせるとも、パクリっぽいとも。そして、無駄に作画の動きがハイレベル。まさに一直線路線に全力投球。
つまり、この作品って天然っぽい高度なギャグに見えるんですよ。コレはもう受け取り手の解釈の紙一重の部分。そして、典型的ファンタジーだけど、現代ラノベアニメ的な説明臭さがない。要は嫌味っぽくない。この手の作品は説明なんていくらでも入れられそうなのに、エンターテイメントとして、ギャグやバトルに全力投球してる。そういう作品の姿勢が馬鹿馬鹿しくて、好感が持てる。
いつ転ぶとも分からない作品だが、この雰囲気を維持できればかなりイイ作品になるはず。