夢使い 第三話「ふくらむ恋心」 ★×6

なるほど、ドリームサイクロンという大仕掛けの使用で「一丁あがり!」のノリに陥りそうだった悪夢退治に、バトルものの風を吹き込んで1,2話との緩急をつけてきたな、と。今後もこの緩急を保ち続けられるか。グー・チョキ・パーのギミックがあったりするのを見る限り、これからもしばらくは仕掛けには困らず楽しませてもらえそう。
ところで、気になるのはやはりあの終わり方。なるほど、前回の感想で指摘した安易にいい話に陥ってしまった筋は改善され、印象的な筋になりました。特に最終場面で画面をフェイドアウトさせるのでなく、突然画面がぷっつり切っれてしまう尻切れトンボな終わり方が秀逸。「一つの話」として収束させるのでなく、筋が30分という枠からがこぼれたことが人間の欲の際限の無さを象徴していました。
ただ、珍妙さを狙いすぎたのか、あの男性が救われないことに物語上の必然性が無かった気がします。別にあの男性と女性が結ばれる終わりでも筋の上ではアリだった気がする。
だから、ああいうオチになったのは「人々が何かを望み続けるとき、それは他の誰かの願いを同時にこぼれ落としてしまう結果になる」ということを言いたかったのかな、と考えてしまうのですが、それに対してラスト以外に判断材料になる描写が無い。つまりですね、あの終わり方は視聴者に行間を読むことを強要し過ぎていると私は思ったんですよ。あのラストを必然にする明確な要因があればもっといい話になったと思います。
ところで夢使いの方々は、悪夢を一度夢に還した後は手を出さないのかと思ったら、アフターケアもばっちりですね。それとも、再度依頼を出しなおしたからってことか?