XXXHOLiC 第15話「カイホウ」 ★×6

思うに、人って言うのは「自分らしさ」を義務として演じなきゃならない生き物なのですよ。周りが要求するから、自分はこう振舞わなくちゃいけない。周囲は根暗な人と言う風に私を定義するから、私は根暗に振舞わなくちゃいけない。周囲は失敗ばかりするのが当たり前だと思っているから、私は物事をそつなくこなすことを許されない。
私達って言うのは、あるビジョンで「その人」は「かくあるべき」と縛り付けていて、それを暗黙のうちに期待し、強要しているから、その人は「自分らしく」あらなければならない。つまり、別にこの世に他人がいなきゃ、昨日は暗い人間だったから、今日は明るい人間になって、明日は不思議ちゃんになろう、ってコロコロ個性を変えることに何の問題もないし、実際可能だと思うわけですよ。
だから、「変わりたい」と願うのは、実のところ自分自身の内面の問題でなく、「今ある対人関係のあり方を断ち切る」ことにこそ問題があるわけです。とまぁ、今回は自分からも、他人からも「言葉で縛られている」ということを例えに、「自分らしさ」に縛られた生き方の滑稽さを描いた話なのだなと思いました。