XXXHOLiC 第十八話「ホオズキ」 ★×7

原作も新しい話になってくると、侑子さん含蓄のあるお言葉を賜る機会もめっきり減って、作画によるインパクトで押す話の方が主流になってくるんですよね。でも、原作での大樹の、バンダナの模様のような張り巡らされた感じなどは漫画の表現であって、アニメでは無理だろうなと思っていたりするわけですよ。原作では「よく分からないもの」の描き込み具合が尋常じゃない。
しかしながら今回のアニメでの百鬼夜行の図での、あのひょろりとしていて平面的で子どもの落書きを思わせるような妖怪達は、それはそれで味のある描き方だなと感心しました。なるほどアニメだとそういう描き方があるのか。よく分からないものの雰囲気が出てます。あれが実際動いてアニメーションしてるわけだから、それが余計にシュールで、映像表現だけでも十分に楽しめる回でした。
進行面でも、原作と比べ、淀みなくストーリーが展開する訳でなく、独特の間のびした、危機的でありながら緊迫感のない妖怪達とのやり取りによって、置かれた状況の珍妙さがより際立っていました。原作の現状である美術観賞調の作品姿勢を最も踏襲した回であったと思います。空気として沈み込まない良い雰囲気アニメです。