乙女はお姉さまに恋してる 第10話「二人のジュリエット」 ★×8

貴子デレた。しかし、貴子は可愛い。何が可愛いのかといえば、彼女の瑞穂に対する態度は、まさに慎み深く、相手のことを陰ながら想い、恋焦がれる日本女性の姿のそれだからだ。彼女が俗に言うツンデレだからだろうか、瑞穂の前では「嬉しい…!」という態度は取らず、別れた後に、瑞穂のその一言やその行動の余韻に浸る。なんとも奥ゆかしい恋する少女じゃありませんか!そんな貴子は星に瑞穂と想いが繋がることを願ったりしちゃうんですよ。恋する貴子は切ない。
それでいて、演劇の前、緊張している事実に、自分自身には「演劇くらいで緊張するなんて」と虚勢を張るくせに、瑞穂の前では弱気なところを見せてみたり。ひたすら強気かといえば、そんな風に甘えた態度も取ってみる点、魅力的な女の子だなぁ、と。
そういう色恋沙汰に一喜一憂する貴子に演劇での思わぬハプニングもあり、これはほとんど少女漫画の短編を一編詰め込んだような、それだけ貴子にスポットを当てた感情の起伏と波乱にとんだ内容だったと思います。しかし、未だ瑞穂が女だと思っている貴子としては、どこまでこの感情をセーブするべきか、複雑な所かと思われます。瑞穂のカミングアウト展開は有りうるんでしょうか。あぁ、すっごくカミングアウト希望。
対して、まりあには瑞穂を昔から知ってる、男であることを知っていると、アドバンテージ故、若干の余裕が感じられる立場。貴子の本心に気づいても余裕の笑み。あれは負けるはずないって表情なのかな?
瑞穂に対しての理解がある、積極的にフランクにアプローチしていける、この点で貴子との対比が鮮明ですね。しかし、その余裕故か距離を縮めようとはせず、今まで築いてきた幼なじみの立場のためか恋になりそうな状況にはついつい逃げ出してしまう。一旦は強気を装ってキスを求めたり、実際覚悟を決めてみたりするんですけどね。そういう親しさのせいで、今一歩踏み出せないところがまりやの可愛いところ。デレツン?
今回になり、貴子とまりやが自分の中の瑞穂への好意に自覚的になったことで、対照的な二人が瑞穂を奪い合っての恋物語が始まった訳で。感情面では貴子優勢、状況面ではまりや優勢。失礼だが、紫苑のことはもう忘れて、この二人による瑞穂争奪戦に終始したほうが絶対面白くなりますよ!ああ、次回以降が楽しみ。