N・H・Kにようこそ! 最終話「N・H・Kにようこそ!」 ★×6

みんなさ、悪いことはさ、何か別のことのせいにしてさ、いっそ開き直って生きようぜ。ってこんな感じの話かな。NHKが気に入らないなら好きなように呼べばいいと言っていましたが、正体を言えば「心の弱さ」なんでしょうね。心が弱いのは自分が悪いって言っちゃえばそれまでなんですが、それで納得できるほど人間はお利口に出来てないでしょ。もしかして小学校でイジメにあってなければ、あそこでもっと親がちゃんと育ててくれれば、彼女が俺を振らなければ、世の中がもっと良い世界だったら、色々と人生を失敗した理由を他に擦り付けてみたり。いや、実際それらのもののせいだったとしても、それらの人々は責任をとってくれるわけもないのだから、向上するためにはそのときの自分の心の弱さのせいにして、自分に責任負わせて自分に現状改善を要求しなきゃいかんのが筋なんだろうけど。でも自己を省みれる人間なんて、知るところまずいませんよ。
つまりは現在のダメ人間になった理由・責任を考えたとき、自己を省みるという、出来るわけも無い高尚な目標をかざして生きるのは仙人の道だから、身の丈にあった、誰かに擦り付けるっていう考え方が対処療法としてはベストだし、皆そうやってどうにか生きてるものだよって話なんだろうな。日常の些細なイライラもさ、大抵は全部他人のせいにしてるんとちゃうん?別に向上しなくても、それでその場をしのいで生きていけるならそれでいいじゃん。そんな感じ。
あとは、佐藤が過去を語るって言うのは大いに意味があったのかなと。ひきこもりのようなタイプの人間は過去を語るって言うのは大抵苦痛なことですから。今がそれなんだから、昔が良かったわけが無い。これはいっそ開き直れたって証拠かな。
ちょっと気に入らなかったのが最後は恋物語に収まってしまったことかな。このお話って恋がどうこうって部分じゃなくて、恋をしてないっていう劣等感の話やろ?しかもそれは主題ではなく。ハッピーエンド意識しすぎて、二人がいっしょに過ごすことを強調しすぎたような…。大抵のヒッキーは恋によって救われる訳でないし、アニメは割とリアリティ重視なのに、そこだけえらくファンタジーになってしまったなぁ。やっぱ小説みたいにNHKの誓いの後、二人は別々の生活を送ったくらいの淡白さがこの物語にはちょうど合っている。