ひとひら 3 (アクションコミックス)

ひとひら 3 (アクションコミックス)

ひとひら 3 (アクションコミックス)

アニメ化決定ということで一巻から読んで見ましたが、これはすっごい好みです。久しぶりにストライクゾーンがきたって感じです。
初の単行本ということで、読みやすさの点では拙い所は多々あるのですが、それを補って余るほど好き。主人公が極度のあがり症で、人前に出て辛い思いをするようなことを避けてしまう、そんなところがすごく共感できる。先輩達が完成した人間でなく、子どもっぽい意地を張ったり、八つ当たりしてしまうところが、単なるキャラクターコンテンツとは違うと思う。友達が遠くなってしまうことに素直に祝福できる遠山が好き。逆にそれが受け入れられない麦の葛藤も人間らしくて好き。キャラモノなら研究会にひょいと鞍替えしてしまいそうなちとせが、最後まで演劇部でい続けるところが好感。ドラマみたいに、サクセスストーリーじゃなくて、頑張っても結果がダメなことがあるっていう、そのちょっとした現実味が好き。少しずつ、関係性の中で明かされていく野乃バックボーンが絶妙。「本気で頑張ったことすらなかったんだなって」という台詞がカレカノを読んだときのような高揚感を思い出させてくれる。幕が閉じた後の寂しさが、卒業間際の学校生活のようで好き。
上げていったらキリがないほどこの作品は全部が好きだなぁ。久しぶりに泣ける漫画だったと思う。でも、これ読むと本気で高校に戻って、演劇部か何かに入っていたらなぁ、と後悔の念が凄まじい。ああ、何かやっておけばよかった。早くアニメ化しようぜ!