さて

そろそろ「今年面白かったアニメ」を決めるとしようか。まぁ、アニメ感想サイトと言うのがここの名目ですし、そういうのもぽくてありかなぁ、と。チェックしていた作品ということで、総勢67作品。クール数にして82クールの中から、面白かったと推奨出来る作品です。
クオリティで言ったら圧倒的にノエインかなぁ、と。一時代前のSFヲタ≒アニメヲタだったころの作品雰囲気を醸しつつ、これまた一時代前のジュブナイル小説の様相を呈した時をかけるボーイ・ミーツ・ガール。全体が過去の蓄積物へのリスペクトで出来ているというのが相応しいでしょうか。アクションシーンもぐりぐり動くし、背景は世界観を映し出す道具として効果絶大。見せるべき場面をわきまえていますね。それでいて、語られるテーマの重さとそれに取り組む登場人物たちの不器用さとまっすぐさが作品内容としても好印象。これは間違いなくトップクラスですね。
それを言えば蟲師も別格か。最初はアニメらしくないと敬遠したものですが、あの蟲の映像表現はアニメという色彩メディアを上手く利用している。ああいう、淡かったり、光っていたりするものが、うぞうぞとうごめいている様はアニメならではだなぁ、と。ストーリーは、昔話風のリアル日本昔話と言ったところか。人の生き死にに情感的なようで、淡白なところは好きです。
エウレカセブンはなぁ。今年に入ってからで言うと、世界が滅ぶだのの話になった辺りから、上手く収拾できなくなっていて、いまいちよく分からんかったなぁ。去年の分の放送も含めれば、「モーニング・グローリー」が最強。輝く少年に匹敵する、少年成長物語の感動巨編。
SoltyReiはあの最終回だけなら刹那的高揚でトップクラス。途中の展開は気にすんな。でも、ああいう三文芝居のようなストーリーは個人的には、現代のアニメらしくて好きよ。
陰からマモル!これは中原麻衣の力がガチ。麻衣ちゃん可愛いよ麻衣ちゃん。アニメの「面白ければ、それでいいじゃん?」な所を最大限に活かしきったアニメかなぁと。これは漫画で同じことやっても絶対面白くない。動いてるキャラが、愚にも付かないマヌケなことを必死でやっている様を見ているのが楽しいんじゃないですか。これは何気に毎週が少し楽しみだった。長期休みでやること無かったしね。
かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜。1〜3月では一番楽しかった。なんて言われようが、なんだかんだで百合は好きなんよ。1クールというのが、かえって毎回にメリハリある展開を置くには丁度よかった尺だと思います。絶対アホな萌えアニメだと先入観を持っていたけど、メインで恋愛モノをやっていたところの意外性も評価。あのね商法というのでも有名になったけど、私的にはあれでよかったのかなぁ、と。本質的にはこれは恋愛物語でなく、はずむの成長物語なので、はずむが成長して、やっと本来の恋愛が始まるという暗示で終わるというのは、むしろ作品を成長物語で完結させたと判断するんですけどね。
鍵姫物語 永久アリス輪舞曲はきらは萌え。妹と結ばれるエンド。これに尽きる。あと、百合友達。僕はこの期は萌えアニメはこれだけでこと足りた。
ARIA The NATURALは、一期に比べたらやっぱり劣化した感が否めないが、それでもアリアはアリア。一期が打率4割なら、二期は打率2割5分で乗り切ったって感じですね。二期からキャラ臭が強くなったが、それによるアリスの破壊力は増したかな。逆に世界観が薄くなってしまったのが残念。一期の「その オレンジの日々を…」は凄すぎる。
やはり今年のアニメを語る上で涼宮ハルヒの憂鬱は外せないか。現代アニメはオタクを煽って煽られの、皆で騒ぐお祭り型のコンテンツであることの証明のような作品ですからね。小ネタの仕込み方がいちいち気が利いてる。単純な意味での作品クオリティは今年一番と言っても、多分問題ない。唯一評価9より上をつけた作品ですし。ライブアライブの影響力は確かに凄い。あれは人間並みの青春が送れなかったオタクの苦悩なんだよぉ。あれのせいで1週間くらいダウナーになったな。実のところ、僕は当時のエヴァのあの「騒ぎ」に参加できなかったことにオタクとして少々劣等感のようなものを抱いていたもので。どんな形であれ、オタク間で起きた「騒ぎ」にリアルタイムで乗じることが出来た経験はかけがえの無いものですよ。
ゼーガペインは、言ってしまえば、アンチ「ロボットアニメ」だったとも思う。いかにも熱い展開で盛り上がる「ロボットアニメ」に、「ちょっと、ちょっと、本当にそんな風に何も考えなしに奴らが戦ってると思ってるの?」と、本来ないがしろにされていた苦悩の部分を示して見せた作品。こういう理屈こねながら戦う主人公って珍しいけど、僕はこういう難しいほうが好き。次第に「ロボットアニメ」の主人公らしくなってくるところも納得。キョウちゃんの少々小難しくって理屈っぽいところも僕は気に入っている。
一期は神アニメ、ハチミツとクローバーの二期。でも真山のうじうじで半分以上作品が食われてしまったので、二期はあんまり好きではない。しかし、花本先生がはぐをさらっていった結末は個人的にツボだ。恋愛沙汰に親が出てくんな!という伝統をよく打ち破った。昔、某少女漫画で「これは俺のものだ」とか言って、両親の目の前で女を連れ出した野郎がいたので、そいつに対する遺憾な気持ちが、ハチクロによって浄化されました。
錬金3級 まじかる?ぽか〜ん。面白ければそれでいいじゃん?ゆうまのロリなくせに、身の丈に合わない努力をしようとする、その様が可愛らしい。
夢使いは、見ているとインテリになってものごとを分かった気持ちに浸れる。なんだか人間の劣等感の固まりのようなアニメだったなぁ。そういうダウナーで、救いがあまり無いところが好き。本質的な部分では救われきれてない登場人物たちも、それはそれで。
最初サイケデリック面白くて、真ん中つまらなくて、最後らへんがドラマ味が出てきてまた面白いN・H・Kにようこそ!絶対鬱アニメ化するだろうと踏んでいたのだが、アニメスタッフのスタンスとしては、ひきこもりの救済がテーマだったようで。確かに望む望まないに関わらず、決まった日の週一というペースを強要されるアニメにおいては、なるべく景気よくしたほうがよかったですよね。それに、僕はこっちの救われた感じの方が好きですし。現状をあざ笑っても、卑屈になるだけで革新には繋がらない訳ですし。その点、願いがかなわなかったなりに、そのなかで真剣に生きてみようとする態度に好感。
僕等がいたは私的には相当輝いていた。恋愛話の、臭くなるギリギリどころか、もろに恋してますよオーラをだだ漏れさせてしまっていた、その節操の無さが。特に、最初のころの高橋と矢野の一喜一憂は、ただ恋して必死にもがいてるだけなのに、それを毎週見るのがすっごく楽しかったなぁ。昔の夕方6時台の少女漫画アニメの懐かしさを思い出す内容でした。これだけ一挙手一挙動にこちらまで恥ずかしい思いをさせられたアニメは今年ではこれだけ。
学園アリスは殿堂入り級ですよ!こういう少女漫画アニメをもう一度見たかった!是非とも学校関係者の方々は道徳の時間に学園アリスを見せてあげてください。みかんの全てに乾杯!
乙女はお姉さまに恋してる。10月期のキャラアニメの最高峰。まりや可愛いよだったけど、可愛さでは最後に貴子に持っていかれたな。尺の無さ、キャラ立ちが薄いキャラクターが多くいた、など残念要素も多かったのは事実。もう一歩。
コードギアス 反逆のルルーシュ。普通に面白いですよ?ロボもぐりぐり動くし、ルルーシュは扇動的だし、毎回なんらかの刹那的高揚があります。ただ、最初のころはマジメなアニメだと思ったんだけど、製作者ぐるみでネタの方を押し出していくアニメだったのね。


今年の面白かったアニメはこんなところでしょうか。全体的に1〜6月に面白いアニメが集中してしまったというのが、総括かな。それと本当に真剣に見れるアニメの数も大分少なかったのはやむをえない。そのかわり萌えアニメだけは充実している。それが今の時代というものか。数少ない中でも、少女漫画原作アニメはひときわ輝いていましたね。
特に良作だったのは・ノエイン蟲師かしましゼーガペイン涼宮ハルヒの憂鬱、と言ったところでしょう。今年面白かったアニメアワードはこんな感じです。それじゃあな!