スケッチブック 〜 full color's 〜 第4話 ★×8

前回は不安要素を色々と抱え込んでいましたが、今回を見て何も心配なかろうと思いました。
ところで、この作品の原作との最大の違いは、当たり前と言えば当たり前かもしれないが、背景の書き込みの有無だと今回で思った。単純なことだけど背景があると、今回のような空模様が刻々と移るような話であれば、その時間につれての変化が目に見て実感できる。言い方を変えれば、アニメでは背景の移ろいを描くことで、時間を切り取ろうとしている、と言うのが正しいのかな。
前回の話が腑に落ちない気がするのは、お祭りという話を選んだところ。
祭りという状況は「時間を切り取った」というよりは、「ひとかたまりの時間」そのものと言うのが正しいと思う。もう少し言えば、お祭りなんかは一日の出来事うちでも意識的な部類のものだけど、雨が降りそうな一日と言うのは、別段意識しないものと、そんな違い。
そういう、意識されない時間を、雨の振りそうな空の下スケッチをする状況を作ることで意識させる。普段なら雨が降りそうな日に一日中外にいることなんてまず無いですからね。そのような点で、日常の中の非日常の場面なんですよね、今回の話は。日常を非日常として意識させるのが時間を切り取るってことかな、と。
つまり、スケッチブックつーアニメは、第一話でもあったように意識されない時間を切り取ったものなんだと思う。その点で漫画とは目指すべきも全く違うと言えるし、その違ったものをとことん表現しようとする姿勢もうかがえる。
前回のを見たときは「ありがちな日常系」に落ちるかとも思ったが、今回のような「意識されないものを意識する」というスタンスがあれば、この作品性はスケッチブックだけとのもの胸を張ってもいいでしょう。