もっけ連続レビュー

第1話 「ミコシ」 ★×5
まぁ、ありがちな雰囲気アニメか?が第一印象。雰囲気としては夢使いに近いかな。心霊ものとか、絵柄とか、主人公の声が川澄なところも。まだイントロの部分なんでなんともだが、単に妖怪の類が引き起こす不思議事件を体験していくものなのか?という感じです。はい。
第2話 「ナガレイズナ」 ★×5
妖怪と友達になっていくっていうのも、これまたありがち。ただ、イズナとの別れ際のあっさりした感じは、これはこれで。まさに一期一会ですね。はい。
第3話 「オクリモノ」 ★×7
この回から作品が化けたな。要するに、普通の人が生活する中で「憑かれる」タイプの妖怪っていうのは、人間の心理が生み出したものって解釈でOK?
確かに、勉強しかやってこないと、それだけが自尊心を保つための尺度になってしまうのは致し方がない。ですから、世間では勉強以外も色々挑戦するべきだって言うんでしょうけど。そりゃ勉強だけしてりゃ、将来から心の中まで全てが保障されるなら楽ですよね。
爺ちゃんとの問答のうちに「だいぶ周りが見えてきたじゃないか」と、流れを持っていく会話は秀逸。そうですね、そうやって一つの物事に執着していると、別の部分に理由があるかのような自己欺瞞に陥りますからね。根本的な理由から目を逸らしちゃならんってことですね、爺ちゃん。
ちなみに静流のように、身内の事情だと知りつつも、それを放っておけない子は大好きです。
第4話 「ワライヤミ」 ★×7
第3話から相変わらず良好。これも人の心象が映し出した類の妖怪。自分が笑われたくないから、相手を笑うという心理はごく分かりやすい。多くの場合、心に余裕が無かったり、ほかに誇れるものが無い人が他人を嘲る訳ですし。他人を笑う人は自分に後ろめたいことがあるんでしょうな。
そういう妖怪の有様を見て、静流が一言「なんだか可哀そうだね。」と、軽蔑とかでなく、素直に心から発した感想として述べている点が秀逸。なるほどね、まっとうに生きている人間がそういう状況を客観的に評価したら、そう思うんですね。
他人から笑われているという状況からの脱出法も単純で、これは痛快。心にゆとりをもってパーッと忘れりゃいいってな。でも、大抵の場合、そういう状況に置かれた人は心にゆとりが無い。その点で、あまり現実的でないがな。
にしても、このアニメのいいところは一話完結で、その一話ごとの主張が分かりやすいところ。これは、こんな手遅れな大きいお友達より、まだ間に合う小さなお友達が見るべき。
第5話 「ヒヨリモウシ」 ★×6
理屈が通っている話ではないけど、学園モノとして見れば、爽やかな青春の一ページ。
小学生の時から、これだけ他人に肩入れして、一生懸命になれるなら、十分過ぎる。こんな年から、自分以外のために何かをするなんて、出来るもんですかね。大人になってもその気持ちを忘れないで下さい。
というか、こともなげに私が晴れさせたんだから勝つに決まっていると言い放つ扶美は、もはやこの年にして大物の器。
第6話 「ケサランパサラン」 ★×6
あれでしょ?ケサランパサランって、昔流行ったんだか、流行ってないんだかの。持ってきたおじ様は信心深い人だったとして、要はあれは単なる毛玉かの類だったって話な気がしないでも無いんですよ。良いことと言っても、給食のプリンのじゃんけんで勝ったってレベルですからね。全部ものの考えようによっちゃ、良いこと尽くしと言えなくも無いってレベルな訳で。案外こじつけかもしれん。
多分爺ちゃんは、ああいう物を飼育する経験から、人ならざるものへの慈しみでも教えたかったんじゃないでしょうか?単に有り難いもの、可愛いものとしてでなく、それを持っていることで、ケサランパサランがそれ以上の何かに見えてくるって言えばいいんでしょうか。
それにしても、何故に最後で瑞生がケサランパサランを手放そうと思ったのかが分からん。母親が嫌がったから、自分が喜んでいることが、急に子供染みているように思えて、冷めてしまったのか。あるいは、母親の心情を汲んだのか。もしくは、「やっぱいいことなんてないじゃん」と思ったのか。自分の理解力不足です、はい。
第7話 「ジャタイ」 ★×5
そりゃあ、厄介ごとに首をつっこまなけりゃ、人の恨みを買うこともないでしょうし、災難に巻き込まれることも無いでしょう。厄介な生き方と、イージーな生き方、二通りあるんでないのって話か。ただ、前者の方が人間らしくはある。
第8話 「ヤマウバ」 ★×6
人を不幸に至らしめる快楽を楽しみにするようになったら、それが人を食うってことでしょうか。子供の時からそういうことってのは良くあるもんですが、大人になったら表面化しない分、それがより深刻になるもんです。本当、このアニメは含蓄がありますね。


今期の中では、それなりに骨太なアニメだったので、来週以降も視聴継続していこうかと思います。