Myself;Yourself 第13話 ★×2

これは傑作。もちろん滑稽だという意味で。
色々と言いたいことはあるけど、最終回までを踏まえた上でこのアニメの全体を一言で言い表すと「気持ち悪い」。
誰一人として幸せにせず放り出した点において。
雛子はあれだけスポットが当たったキャラなのに、修輔がいなくなった後はなにも語られない。まぁ、どんな気持ちになったかは想像に難くないですけどね。立ち位置的に不幸な姿を晒すようなとこじゃないんでしょうね。そしたら、正体不明の年下の彼氏が現れるし。修輔のせいで、手が届かず勝手にいなくなる年上の男ってやつに愛想つかしたのかもな。
あおいは完璧空気だった。立ち位置は雛子と同じ。親友が二人も消え、もう一人はひきこもり、もう一人はそのお見舞いに毎日借り出される。んで一人残される。悲壮感漂うってレベルじゃねーぞ
えー、あさみ。どうも10年経ってもずっと引け目を感じ続けている模様。まぁ、あさみの気持ちが救済されるイベントなんて無かったからな。罪滅ぼしか自己救済かは知らないが、公園残したところで心も癒されない。若月姉弟駆け落ち発動要因のために奈落の底へ落ちましたとさ。
若月姉弟とかもう最悪ですよね。駆け落ちまでは理解出来るが、それっきりで友人に顔を見せるわけでもなく、ただ陰からコンサートを見ているだけ。それだけ世間様には顔向けできない暮らしを送っているって暗示なんでしょうけど、そういう10年間って考えるだけでも悲惨ですよね。そのくせ、ラブホ疑惑のときに二人は「そういう」関係では無いことを提示している分、二人が10年間もどこかで大人になって、雛子みたいに別の相手を選ばなかったことが不思議でならない。単に姉弟としていっしょにいたいなら、もっと別のやり方もあったろうに。仮に「そういう」関係なら、少し前の恋風くらいのシビアさがどこかで表現されても良かったろうに。まぁ、僕から見たら、若気の至りのわりに10年も続いっちゃったの?って感じです。
ちなみに佐菜のトラウマは癒されずじまいです。男なら女に甘えないで一人で乗り越えろ!ってことか。
先生が売れ残ったことはこの際どうでもいい。
唯一救済されたっぽい菜々香ですが、佐菜の中には、アニメで描写された範疇では最初っから最後まで同情しかなかった。10年後は知らん。特に、あの尺が足りなくなって、おもむろに語りだした佐菜の過去話なんて象徴的。そんなに同じ立場の人間が見つかって嬉しかったの?って感じですね。それで救われるってどんだけ安っぽいトラウマだよ。というより悲劇のヒロインぶってただけじゃないのか?とすら思う。
前にも言ったけど、こういう同情的な立場から生まれてくる「俺が守ってやらなきゃ」っていうのは本当悲惨ですよ。同情しあって、相手の中に自分の存在意義を求めるのは共依存っていうんですよ。それはとりあえず愛とは全く別物な。だって、そりゃ自分の心を保つために相手を利用しあう関係ですもん。実際、佐菜からは同情心だだ漏れだし、菜々香も思い返してみると佐菜を必死に「利用しよう」としていたように思う。んな歪な関係で結婚しても辛いだけだぜ?
まぁ、要するに、菜々香以外は救済されるイベントがなかった。その上、唯一救済された菜々香のイベントが単なる同情と馴れ合いって訳で、これで心温まる感動の最終回になったら奇跡だろ。
つーか、王道ラブコメを銘打っておいて、このなんちゃってハッピーエンドの欺瞞と悲壮感漂うラストは何でしょうね。10年後に、小学生の時作ったと思われる曲を完成させるのもよう分からん。本当形だけの最終回。ぶっちゃけ、終始雛子回のノリで王道ラブコメだけやってればよっぽど良かった。