涼宮ハルヒの憂鬱 第2話「涼宮ハルヒの憂鬱Ⅰ」 ★×9

すまん、これ正直すっごく面白い。別にあそこまで奇をてらった第1話にせんでも普通にこれ第1話でいけただろ。これすごい良質。
とにかくテンポが良すぎる。流れが全く飽きさせない。画面を常に変化で絶やさない。ほとんどは教室の場面なのに常に展開や空気が流動的で、そのうえ分かりやすい。
キョンの視点から語られる一人称視点からのハルヒの観察が面白い。一人称視点により、ハルヒの全部が分かりきらないところから、少しずつ内面が明かされていく、いわゆる「ミステリー効果」を得ていると思う。断片情報からハルヒ人間性を推測するのが楽しい!
何故かいる長門有希朝比奈みくるのキャラの立ちようが素晴らしい。ステレオタイプ無口無表情キャラと、萌えを実体化させたかの如きヘタレ美少女キャラ。特に前回の話があるので朝比奈みくるのキャラ立ちは尋常じゃない。こんな女の子が無理やりあんな自主制作映画に付き合わされたのかと思うだけで楽しい収録風景が浮かんできそう。あながち前回の第1話は無駄撃ちではなかったのかもしれない。
ハルヒは確かに変な奴だが、彼女が「何を言いたいのか」はなんとなく分かる。まだ明示されてないので断言はあえてしないが、既存の価値観とか、月並みの生き方に甘んじるとか、可能性を縛るとか、そういうことが出来ない人間なんですよね、多分。嫌らしい言い方をすれば「このまま大人になりたくない」。その点、多分私と価値観は似ていると思う。だからこそ不思議なことにこの超展開に共感を覚える。
これだけのありとあらゆるエンターテイメントの仕掛けを施した内容に加え、少なからずメッセージ性を込めようとする作品姿勢。これはとんでもない快作です!!