桜蘭高校ホスト部 第2話「高校生ホストのお仕事」 ★×8

この作品のいいところは、「人の気持ちが最大の法」ってところですね。人の気持ちって言うのは自分のでも相手のでもいいんですけど、ルールとか常識とか一般とか、ホスト部の面々はそういうものに縛られて生きているのでなく、誰かの気持ちのために生きてるってことです。
相手に好かれるとか、幸せになってほしいとか、自分の思い通りにいかないとか、振り向いてほしいとか、そういう些細な感情の揺れ動きにに一喜一憂する(特に環様の)姿が可愛らしくも愛すべき人間の姿だなぁと、そう感じる訳ですよ。
まぁ、そんな生き方が出来るのも金があるからですよ。金が。そういう世知辛さも含めてコメディ。それ故の桜蘭高校。やっぱ金は大事だよな。
それともう一つ感心したのはハルヒの台詞。「伝えもしないで分かってもらおうなんて〜」のくだりですが、以前私が言った「現実的効力を持」つ台詞っていうのはこういうことですよ。確かに物語の中だからこそ出てくる台詞なのは明白なのですが、では現実の論理と完全に剥離されているのかといえば、そうではない。やっぱり言葉にして伝えるのは大事ですよね。思ったときに変わろうとすることは大事ですよね。
本当に実生活にこんな言葉が役に立っていくかどうかは分からない。けれどこういう言葉を抱えるだけですこし現実が楽しいものに思えてきませんか?つまりですね、これが物語の中に埋没しない、リアリティに物語が押しつぶされない、適正な「アニメと実生活の距離」の台詞なんですよ。少女漫画がその適正な距離を一番わきまえている。だから、少女漫画は面白いんだと思うんですよね。