ゼーガペイン 第26話「森羅万象(ありとあらゆるもの)」 ★×7

語るべきことは前回で語り尽くしたかと思います。「このまま自分だけ傍観していられるかっ!!俺だって、私達だって戦える!!力の限りを尽くせ!!想いを拳に込めろ!!そして皆の魂が、心が、願いが、今ひとつに!!」ただ、この作品にはそう思えるようになるまでの人々の気持ちの過程がそこに描かれている。今までただ情動的なだけだった熱血ロボットアニメにあまり語られることの無かった細やかな心情を描き出した点において、このアニメは特別なのです。だからこそ熱血展開の最終回も納得できる。
感想としては、きっとこの話は悲劇的な結末を迎えるのでは?と思っていた分、清々しいほどにハッピーエンドで驚きました。皆が人間になれるまで何十年かかるか分からないと言っていましたが、どうやら数年で可能なようで。シズノ先輩も人間になれそうです。ご都合主義とかそういうことでは無いと思います。希望が必要だったんですよ、未来を語るためには。このアニメが何を目指していたのかといえば、過去のロボットの持っていた正しいものを無条件に愛する熱い魂と、ジュブナイルの担っていた大人になることへの淡い期待と未来への肯定的な気持ちを呼び起こすことにあったのでしょうから。
自分のためだけに永遠を生きてみるよりも、誰かと世界を見続けるために有限を生きてみようか。そんな実に青春の後に少年が見つけるようなひたすらに前向きな答え。アニメを見て夕日の空を風が吹き抜けるような爽やかさな気持ちを感じえたことはそれだけで半年の間ゼーガペインに付き合ってきたかいがあったというものです。