乙女はお姉さまに恋してる 第2話「けせない消しゴム」 ★×7

原作ではどうなのかはわかりませんが、少なくともアニメにおいて主人公が男であることの利点は、男の周囲を女性が囲むハーレムアニメと、登場人物が女性だけの百合アニメ両方の要素を満たすことにより、ハーレムアニメ特有の垢抜けたものと、百合アニメ特有の禁止を犯すような甘酸っぱさと、その両方の雰囲気を相殺しながらも、ハーレムアニメの少し浮き足立った高揚と、百合アニメの優雅で可憐な女の子同士だからこその関係の空気感だけは残していること。これに集約されるように思われます。
つまり、主人公が女であるという一般の周囲の認知により、一人の男を何故か多くの女性が囲むハーレム現象の理不尽さを解消しつつ、女性同士のみに存在するような女のコミュニティを描くのに成功している。そして主人公が本当は男であることで、正体を知る親しい人間との間には同性だという恋愛の禁忌を取り払い、時に着替えやトイレの際に主人公が男であることを認知する瞬間にはハーレムアニメのような高揚をにわかに感じさせている。
ハーレムものと百合ものに必ず内在する「違和感」の部分を解消しつつも、実際にそのジャンルで「一番おいしいところ」はちゃんと残してある。なるほど、これはすごいことですよ。たった主人公が女装した男であるだけでこんなにも作品が変わるものなんですね。
本編について。紫苑とまりやのコンビがいい味を出していました。特に、ストパニで言うところの静馬様のような雰囲気を放つものかと思っていた紫苑が、実は瑞穂が男であることを知っていて意地悪するような茶目っ気の持ち主であったところが小気味良かった。瑞穂は男なのに、二人して女の子みたいにフランクに接する紫苑とまりや。これは相当萌えるな、こりゃ。何度も言うようですが、小学生女児同士のようなフランクな関係が私の理想系なので。それに近いものを感じました。羨ましい。