シゴフミ 第3話 ★×4

やっぱ、なんか小手先の展開で誤魔化してるんだよなぁ。
少なくとも第3話までを見た限りでは、現実に存在しうるような社会的問題を題材にした、そこそこリアル志向の作品傾向なのだと、シゴフミのことは捉えている。で、リアル志向を目指しているのであれば、シゴフミの設定は例外として、その他のことはそれなりのリアリティは必要だと思うんですよ。
しかし、今回の話を振り返ってみると、まず一人の人間が自殺したくらいでニュースになるか?なんないだろ。あの青年がよっぽどの有名人だとか、悲痛な事件が背景にあったとかなら分かりますけど、そうではない。結局、無理矢理世間を騒がせるような、大げさな展開に持っていくための苦し紛れにしか感じられないんですよね。物語を大きく見せるための仕掛けというか、そういう作為が透けて見えるのが個人的にはかなりマイナス要素。
もう一点、親父が学校で人質をとった行動も疑問。復讐したい心情の表れなんだろうが、だからってクラスを人質にとるとか。虐待が原因とか言われて精神がイカれてたのか?やっぱここもリアリティというより、物語を大きく見せるための作為が透けてしまっている。
実際のところ、上記二つの要素を作品から削いでしまったら、「友人が死んで、何で死んでしまったのか分からないけど、ある日シゴフミが届き、その理由が分かった」という、すごく淡白な話になっちゃうんですよね。思うに、これが今回の話の本来の大きさだと思います。
で、どうせ大きくするなら周辺事情のほうでなく、テーマに対する考え方のほうを深化させるほうが作品としては有意義だったんじゃないのかな?と、それが今回思ったことです。エンタメとしては今回のやり方も正しいのかもしれないけど、掘り下げの浅いテーマを大仰にしただけの話ってのはやっぱり空疎だなって、見てて思うよ。