シゴフミ 第12話 ★×5

シゴフミは死という結末を迎えた後の、あったかもしれないifの世界の話だということで。死んだ後、残された人間の人生に想像力を巡らせたあたり評価できるかと。
しかしながら、過剰包装が目に余る作品だった、というのが本音ですね。前々から散々言っていますが、一話ごとに設定されるテーマは陳腐なのに、それをあたかも大層なことに見せるために、キャラや舞台設定ばかりが過激になっている。
それが、エンターテイメントとして間違っているとは言いません。いや、むしろ正しいでしょう。広告宣伝と同じで、あらゆる意味でインパクトあるものの方が売り上げという形に直結するでしょう。その上で「考えさせられる作品だった」と思わせる(実際それだけのものがあるかどうかは別として)内容にすることで、視聴者が高尚になったような満足感も与えられますし、「底が浅い」という批判も一応回避できます。
それでも、自身としては上記のような「エンターテイメントとして徹底している」点がむしろ鼻についてしまった。テーマ的には、正直なところ多少新聞を読んでいるような人間なら日ごろ考えるレベルに収まっています。また、使い古されたテーマも多くありました。最終回の「本当は普通の学生生活を送りたかった」というのも同様です。ですから、特に奇抜な点はありませんし、物語の深みも特に感じられませんでした。それを踏まえた上で、高尚を装っているところが、自分としては納得できない訳です。
しかし、シゴフミに関わる考察を見ていると、なるほどと納得させられるものも幾つかはありました。その点で、テーマが一般的であるという表面的な判断で、「底が浅い」と判断してしまっている自分のミスもあると思います。表面的であることを批判しておきながら、表面的な判断しか出来ていないことは自分の未熟さ故です。